※Image by Apple
半角英数字が、ケチケチマカー史上最多なタイトルです。
いやー。
MacBook Air(2020)のインパクトが強すぎて、iPad Proのことなんて眼中になかったんです。
だけど、実はこっち(=iPad Pro)のほうがインパクトあったのかもしれません。
それは新型iPad Pro用のキーボードのせいであります。
Pad Pro+Magic Keyboardで旧MacBook Air11インチ的使い方
最初は簡単に字面だけで、とらえていました。
「ふーん。外付けキーボードにトラックパッドが装備されたんだー」
そんな記事を書いてから約半日後・・
「ん? これってiPadがMacみたいに使えるんではないのだろうか」
と思い直し、改めてオンラインApple StoreのiPad Pro用キーボードを見てみました。
そこで驚いたといいますか、ディスカバリー(?)に至った5つのポイント。
◇11インチと12.9インチモデルともにMagic Keyboardがある
◇両モデルともトラックパッドが装備されている
◇USB-Cポートがあってパススルー充電ができる
◇フローティングカンチレバーで視野角を調整できる
◇浮いてるとやっぱり格好いい
最後のは「何やねんな」という感じですが、まあ格好も大事ということで。
(・∀・)<トクニマカーニワネ
日本には11インチサイズのモバイル端末が必要
11インチモデルと13インチモデルの両方に、トラックパッドが装備されたMagic Keyboardが用意された意味は、静かに大きいと感じています。
Appleのモバイル市場へのさらなるプレゼンス拡張の意図も感じたりして。
何故って、持ち運びの楽チンな11インチ端末+トラックパッド付きキーボード=・・答えは?
11インチMacBook Airで一旦幕を下ろした、Macのミニマムノート端末の復刻ともいえるからです。
PowerBook 2400シリーズにはじまるAppleのミニマムノート
「ミニマムノート」という名称は、この記事における説明のための造語です。
Macのノート型であるPowerBook100にその源を求めるのか、PowerBook Duoやその後継機種PowerBook2400に求めるのかは意見が分かれるところとも思います。
私見では、ドライブ類や拡張ユニットを外付けして簡素化・軽量化を図ったのは後者PowerBook 2400で、Appleのミニマムノート型のはじまりを求めるのなら、PowerBook 2400シリーズといえるのではないでしょうか。
ちなみに・・上のWikipediaにもある通り、このPowerBook 2400cは日本の満員電車を体験したAppleの技術者チームが、このような小型軽量ノートの着想を得たとされています。
満員電車ばかりではないでしょうが、日本にはこの系統のノート型パソコンを受け入れる素地が広くあり、いざリリースされれば売れていく旺盛な需要も、そもそもあったわけですね。
もっと言えばこのPowerBook2400c、米国ではほとんど売れなかったそうです。
日本向けに開発したようなものだったからか、当時の米国需要に合わなかったのでしょう。
というエピソードも知っていたので、モバイルノートなんてのは世界的に需要ないんだろうなと思っていました。
かと思っていたらMacBook Air11インチが2010年にリリースされたときは、ちょっと意外でした。
同じような受け入れられ方でないのかもしれませんが、日本以外の国でもモバイルノートやモバイル端末に対する需要が生まれてきたのでしょうかね。
それは、インターネットの世界的な敷衍と符合するところが大きいのだろうと思います。
そういえば、生まれるのが早すぎた感のあるSHARP製PDA「ザウルス」も、根強い人気がありました。
この製品についても、当時に現在ほどでなくてもユビキタスなネットワーク環境があれば、消滅してしまうことはなかったのではないかとも思います。
などと考えると、日本はモバイル先進国なのかもしれません。
日本のミニマムノート需要に応えていたMacBook Air11インチモデル
このように不要なインターフェースを排除したノート型は、2008年初頭のMacBook Air(当初は13インチのみ)までリリースされることがありませんでした。
そして2010年後半になって、ストレージのSSD化がされてさらなる小型化が可能になった11インチモデルがリリースされるに至ります。
自分がそうでなくて傍目で見ていたのでよく分かるのですが、この11インチモデルにはいわゆる「エンスー(enthusiast)」(下記Wikipedia参照)なユーザが多かった。
私は所有していなかったのですが、先述のPowerBook Duoを所有する(ケチケチでない)マカーの先輩諸氏と、時代こそ違えど、そのマシンの愛し方や使い方に多くの共通点を感じ取っています。
インターネットが一般的でなかった時代には、絵空事に近かった先輩諸氏の夢や妄想(?)の多くは現在、日常的なこととして実現に至っています。
日本には11インチサイズのモバイル端末を必要とする人がいる
11インチMacBook Airを使っていた(使っている)ユーザの多くは机にしばられず、少なくならない負担の一定部分を減らしてくれる、頼りになる相棒とみなしていると思います。
iPhoneをはじめとしたスマホがこれだけ普及しても、それだけではこなしきれない仕事やクリエイティブ・ワークを行うのに、必要と感じるユーザはまだまだいるわけです。
先述のPowerBook Duoシリーズが、ほぼ日本のために開発された経緯があるのをみても分かるように、少なくとも日本にはMacBook Air11インチモデル(のような)マシンが必要とされる素地があります。
そしてこのiPad Pro11インチ+専用Magic Keyboardは、そういった需要に、応えることができる商品構成(というか組み合わせ)といえるのではないかと考えるのです。
Magic KeyboardがMacOSとiOSの統合への呼び水になる可能性も
読まれている方の周囲にいらっしゃったかどうか分かりませんが、MacBook Air11インチが製品ラインから消えて一種の「ロス」の感覚を持たれた方は、リアルにもネットにも一定数いました。
廃止から2年経った最近になって、そのロスに近い声は当初より高くなっていると感じています。
11インチMacBook Airロス状態のユーザへの代替提案として
そんなロス感覚を持つユーザへ向けたのか向けらてないのか知りませんが、マウス操作をサポートするiPadOSを搭載した新型iPad ProとMagic Keyboardのリリースは、Appleの代大体提案として見ることもできます。
・そうですか、MacBook Air11インチがないとお嘆きで
・だったらほぼ同サイズのiPad Proなんてどうですか?
・マウス操作? iPadOSとMagic Keyboardでパソコンのような操作性を実現してますよん
・ iPadだからって評判の悪いLightningケーブルは採用してません
・ほぉぉぉおおおら、パススルー充電のUSB-Cポートだってあるんですから
これはほぼ、USB-Cポート充電の11インチMacBook Air
などと上記のような、ぷよぷよクエストの寸劇めいたAppleからセールメッセージを感じ取ったケチケチマカーなわけです。
なんだか総合するともはや「MacBook Air11インチの代替品だから、購入したまへ」というメッセージに見えて仕方がないんですよね。
USB-Cポートの装備以外の差異は(多くの影響を生み出しはするものの)OSくらいで、実質的に2020年代版MacBook Air11インチということもできるのです。
Mac OSとiOSの統合の呼び水になる可能性は大いにある
以前から云われているように、AppleはMac OSとiOSの統合を視野に入れています。
これがこのiPad Pro11インチモデルとMagic Keyboardの組み合わせが呼び水となって、この統合が成されていく可能性は大いにあると思うのです。
少なからずいた11インチモデルのエンスー層の受け皿になる要素は、備えています。
でもって、こういったエンスー層は同時にアーリー・アダプターの側面もあり、自分なりの工夫や使い方を積極的に発信する人が少なからずいます。
そんな人たちが手動する形で、MacBook Air11インチユーザの「iPad Pro+Magic Keyboard」への移行が成されていくというシナリオは十分にあり得ると思うのです。
Microsoftがやったようなやり方とは、ちょっと違った経路で。
そしてその先にあるのはMac OSとiOSの統合であり、Appleは今回の(勝手に想像している)目論見の結果を生暖かく見守りながら、統合スキームを進めるのではないでしょうか。
と言いつつ、気になるお値段は・・
とここまで妄想を語りましたが、気になるお値段の方はあまりこなれていません・・。
<iPad ProとMagic Keyboard各サイズの合計価格>
◇11インチiPad Proの場合(価格はいずれも税別)
本体 ¥84,800〜 + 専用Magic Keyboard ¥31,800 = ¥116,600
◇12.9インチiPad Proの場合(価格はいずれも税別)
本体 ¥104,800〜 + 専用Magic Keyboard ¥37,800 = ¥142,600
だけどよく考えれば、MacBook Air11インチモデルが販売されていた頃の価格と、大きく変わらない。
本体はお安く感じるので合計もいいかなと思っていましたが、要するにMagic Keyboardが高価なんですよね。
まあバックライトもあるし、角度調節もオッケーだから仕方がないのかな。
従来タイプのSmart Keyboard Folioも新たにリリース
その一方で、Appleはライトユーザ向けというか従来スタイルのタブレット入力ツールとして、Smart Keyboard Folioも新たにリリースしています。
11インチiPad Pro専用が¥18,800、12,9インチiPad Pro専用が¥20,800(それぞれ税別)となっています。
キーボード選択で現れるケチケチマカーの本性
と、ここまで書いておいてなんなんですが、私が11インチサイズのiPad ProとMagic Keyboardを購入する可能性は、今のところほぼありません。
iPad Proを購入するのはありかもしれませんが、iPadOSでBluetoothマウス接続&利用が可能になっていることもあり、わざわざ専用Magic Keyboardを購入する必要はありません。
何台かあるMac用のMagic KeyboardやMagic Keyboard2ですでにiPadと接続して使っていて、マウスが使えるのはいいのですが「だったらMacBook系でいいんじゃね?」となるわけです。
やはり画面サイズとアプリ、加えて細かいファイル管理がネック
となってしまうのは、下記の要素が大きいのであります。
△画面サイズが小さい
△ソフトウエア資産=アプリでやれることが限られる
△ローカルでの細かいファイル管理がほぼできない
テキスト入力やメールくらいは問題ないのですが、コーディング、サーバウエアの操作、画像編集(これは何とかできないこともない)、DTP制作から入稿、DTM、動画の編集などはアプリがあるものの、PC(=私の場合はMac)で行う効率とは比較にならなりません。
画面も上記のようなことを行うにあたり、2画面以上は効率上必須ともいえます。
Androidもだけど、アプリの自由度も低すぎるかな・・。
あと、なんといってもローカルでのファイル管理です。
いくらDropboxやらクラウドのストレージがあるといっても、ローカルでのファイル管理の操作性がよろしくないのは複数作業&分岐作業を進める上で、致命的です。
MacOSとiOSの統合には期待したい
とはいえ、上に挙げたような弱点を解消できるのであれば、iPadをMac代わりに使うことができるのではないかと考えています。
早い話が、まだそうなるのは先ということになりますが。
こういったあたりをMacOSとiOSの統合においては、期待したいところですね。
そのときにはApple/Macintoshという古来(?)からの第二回層のツリーに、りんごの別種の名前をつけてくれると面白いなと思う次第です。
とはいえ、そんな遊び心はもうAppleにはないのかもしれませんが・・。
今回の記事は、iPad ProのMagic KeyboardがMacBook Air 11インチモデルの復刻版といえるんじゃないか、という記事でした。
(了)